さび。

時の移ろいとともに、
うつくしく変化すること。

枯れて風情が出る。古びて趣が出る。

朽ちていく様子と、豊かで華麗な様子の
相反する要素が交わりながら

内面の奥底にひそむ本質が
時間の経過とともに外へと滲み出る。

日本美術の起源である「不完全の美、不均衡の美」

茶碗の名品や名茶室の柱などは、
微妙に仄かに歪んでおり、

その膚はガラス板のように滑らかではなく
「さび」に覆われている。