然美 祇園

陰翳のなかに、
時が息づく。

祇園の町家に、
創設者であり現代芸術家でもあった
髙橋大雅(一九九五‐二〇二二)の、
時間を主題とした彫刻が佇む。

過去から続く時間と、まだ見ぬ未来。
そのつながりを探究した大雅のまなざしが、
空間に静かに息づいている。

古い衣服に残る素材や仕立てを読み解き、
現代の一着へとつなぐ。
T.・Tの衣服にも、
過去に未来の可能性を見いだす
その思想が宿っている。

受け継がれてきた素材や技に、
新たな解釈を重ねる。

庭の石、茶室の陰翳、茶を点てる所作。
伝統に宿る美意識は、
現代の感性を通して、新しい表情を現す。

衣服に触れ、彫刻と向き合い、
一服の茶を味わう。

ここで過ごすひとときに、
過去から届いた時間が、
私たちのいまと静かに重なる。